棒に当た

ったら吉

『貧乏サヴァラン』と黒糖パン

かの森鴎外の娘である森茉莉の食エッセイ集。そう筋にも書いてあるし、つれづれと日々を緩やかに描いているのかと思えば冒頭一行目、 "マリアは貧乏な、ブリア・サヴァランである" と普通えもしれぬマリアなる人物が。ブリア・サヴァランは" どんなものを食…

『生まれた時からアルデンテ』 平野紗希子

数年前書店でアルバイトをしていた時に初めて見かけて、今に至るまで手に取ることのなかった本である。ずっと気になっていたのに、読むことがなかったのは、一重にモラトリアムを謳歌していた(今もしている)自分の若くして溢れる才能を周囲に認められ、ち…

『パリからのおいしい話』 戸塚真弓

インターネットサーフィンをしていた時にぶつかったフランス生活を綴るブログの中でおすすめエッセイ本として取り上げられていたのが戸塚真弓さん。 全く存じ上げなかったが、地に足のついた生活を感じ取れる文章は読みやすく、この一冊を読み終えた後、早速…

『おいしいごはんのためならば』 平松洋子

柔らかい文章が良かった。 気になったものをいくつか。 大阪の老舗「すし萬」(p.44) 大阪で押し寿しの美味しさに開眼する作者が挙げたお店。江戸時代から続く由緒正しいお店らしい。大阪で育ち22年、まったく知らなかったぞ。阿波座に本店がある。 アイ…